第三話【後悔】

ピットからの無言の視線に耐えきれずに俺は「――あの、さ。俺、そんなに見られるの 好きじゃないんだけど。」と(もそもそと朝食を食べながら)言ってみた。するとピットは「あ、すいません。でも、その、ちょっと気になって。」と申し訳なさそうにする。 「? “気になる”って何が?」食事の手を止め、疑問を投げかけてみると意を決した様に「……その、首筋のアザ、ですよ。」と言われた。俺は条件反射の様に首筋を手で隠す様に押さえてしまい、それを見たピットは憶測が確信に変わった様な顔をして「…相手はマルスさんですか?」いきなり核心を突いてくるものだから俺は動揺を隠しきれずに肩を震わせる。(何でバレたんだ?)思った事が顔に出ていたのだろう。ピットは俺に理由を教えてくれた。「3日程前にマルスさんがリンクさんの部屋に行くのを見たんです。その時は たまたまだろうと思ってましたけど…一昨日も、昨日もリンクさんの部屋に行くところを見ました。…そして今のリンクさんの“首筋のアザ”…これで分からない方がオカシいですよ。」 「…そ、んな毎日 マルスの行動を見てた お前だって、オカシいだろ。」…話を逸らそうと必死に なるが声が震える。当然のように「話を逸らさないで下さい。」と一蹴された。そして問いかけてくる。「マルスさんと、どういう関係なんですか?」 「…っお前には関係ないだろ。」目を逸らしながら そう言うと質問を変えてくる。「マルスさんには元の世界に婚約者が居るんですよ?その事を知った上なんですか?」…もう俺とマルスが付き合ってるって決めつけられてるだとか そんな事よりも先に〔信じられない〕という思いと〔やっぱり〕と諦めにも似た感情が ごちゃ混ぜに なって湧いてきて気が付けば俺は泣きながら怒鳴っていた。「お前には関係ないだろ!!」すると すかさず「関係あります!」と言われ余計にムキになって まくし立てる。「いい加減な事 言うな!! これは俺とマルスの問題で お前は一切関係ない!!興味本意なら俺のプライベートな事まで首を突っ込んでくるな!!!」…言い終わってから少し後悔した。ピットが今にも泣きそうな顔をしていたからだ。だが出てしまった言葉は戻せない。謝ることも出来ずに黙ったままで居るとピットの方からポツリと「興味本意なんかじゃ、ありません。」と言って更に言葉を重ねようとする――。




文字数なんか氏んじまえ!

でわ また次回ノシ