第六話【思案】


――答えを出せずに一週間が経ってしまった。「俺ってサイテーだな。」と壁に向かって独り言を呟く俺は端から見ると中二病患者だろう。でも仕方ないと思う。なにせ こんなに苦しい想いを独りで抱え込んでいるのだから――(うわ、何 俺 悲劇のヒロインぶってるんだよ)そして「ん?」となる。(ちょお待て。俺、今 何 考えた?“ヒ ロ イ ン”?)「馬鹿か俺は!!!」自分で自分の考えついた事に悪態をつく。本当に考えるべきは こんな事ではないと解ってる筈なのに。どうしても自分への罵倒が頭に浮かんで離れてくれないので 何も まともに考えれない。考えれる訳がない。…本当は考えたくないだけかもしれない。マルスとピット。どちらと縁を切るかなんて。…と、そこまで思い至った所でノックの音が部屋に響いた。(マルスか…?)と思い、奴なら こっちが返事を しなくても俺が扉に鍵を掛けてない事を知ってるから すぐに開けてくるだろうと黙ったままでいると控えめな声が聞こえた。「…あの、リンクさん?…もう寝ちゃいました?」この声はピットだ。珍しい事も あるものだと 思ったが怪訝に思った訳ではないので扉を開けてピットの顔を見てみると何やら思い詰めた様な表情だった。(考えてみたら当然だよな。答えを出さずに一週間も経ったんだ。ピットだって そろそろ ちゃんと決めて貰いたいと思うだろう。)とピットの突然の訪問理由を大体予想してから「今日は何で来たんだ?」と 責めるような口調に ならない様に あくまでも優しく聞いてみると「話が…あるんです。」…やっぱり俺の予想は正しかったのだろうと思いながら「立ち話も難だし、とりあえず部屋に入れよ。」とピットを自室に招き入れて自分はベッドに座り、ピットには適当なソファに座って貰って話を聞く事にした。…が、なかなか喋り出そうとしない。言い難そうに俯いて少し そわそわしているだけだ。最初の五分は あまり急かしたら可哀相だろうと こっちも黙っていたがその五分が どんどん積み重なり時計の針を見てみるとピットを部屋に入れてから30分が経とうとしていた。流石に俺も限界に近い。「……なぁ?ピット。話があるんじゃなかったのか?」ついに長すぎる沈黙を破って ピットに聞いてみると[ビクッ]と肩(いや、羽か?)を震わせ逡巡する様子を見せながらも口を開いた――。





久々に文字数がヤバス。次回を お楽しみに(^ω^)ノシ